2003年4月  日

厚生労働大臣 坂口 力 殿
医薬局食品保健部企画課 牛尾光宏 殿



遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン代表 天笠啓祐
日本消費者連盟 代表運営委員  富山洋子

コーデックス委員会バイオテクノロジー応用食品特別部会の運営と
日本政府の対応についての公開質問状


 3月11日から14日にかけて横浜で行われたコーデックス委員会バイオテクノロジー応用食品特別部会(以下「CTFBT」と略称)における議事内容につき私たちは多くの問題があると考えています。ご多忙中おそれいりますが、以下の質問に、4月  日までに文書でご回答いただきたいと存じます。

一、日本の消費者が現在多く口に入れざるを得ない遺伝子組み換え食品の安全性評価に関する討議が行われたにもかかわらず日本政府のリスクコミュニケーションは極めて不十分であった。消費者の声をコーデックス委員会への政府の対応に反映させるために、早急に国内コーデックス委員会の設置を求めるとともに、次のことをお尋ねします。

1.日本では未だに国内コーデックス委員会(NCC)が存在せず、政府のCTFBTでのコメントや発言内容には消費者の声が反映していない。今後、早急に国内コーデックス委員会を設置することを求める。
 今後、消費者参加のもとでコーデックス各部会、総会における政府のポジションづくりを透明化するために、政府は国内コーデックス委員会設置についてどのように考えているのか。
2、今年のCTFBTへの政府団は役所の担当官とバイオ産業界だけで固めたものであった。昨年は消費者もテクニカルアドバイザーとして参加したが、このしくみでは消費者の意見は全く反映されない。今年、消費者の参加を全く認めなかったのはなぜか。
3,CTFBT前後の政府のブリーフィングは、本年2月24日の「コーデックス意見交換会」、3月6日の、我々による厚生労働省担当官への申し入れ(正味5分間)のみであった。、3月26日には(社)日本食品衛生協会が政府の担当者を招いて業界向けの説明会「コーデックス活動報告会」をされたが、ここでの、厚生労働省医薬局食品保健部の牛尾光宏氏、太田裕之氏の説明は、日本政府のCTFBTにおける発言や活動を十分に消費者に伝えていない。CTFBTでの資料は即座に邦訳し、決議された内容を広く公開しないのはなぜか。

二、CTFBTでの日本政府の発言・コメント文書の内容について、我々が2003年3月6日に厚生労働大臣宛に提出した「公開質問状」(別紙)で日本政府のCTFBTへのコメント文書(CX/FBT03/4-Add.1 PP.3to5)は問題があると指摘したことに応えず、CTFBTでは以下のように消費者の安全性を求める立場を尊重しなかったのはなぜか釈明を求める。

1.ガイドライン案(DRAFT REPORT OF THE FOURTH SESSION OF THE CODEX AD HOC INTERGOVERNMENTAL TASK FORCE ON FOODS DERIVED FROM BIOTECHNOLOGY AppendixU"DRAFT GUIDELINE FOR THE CONDUCT OF FOOD SAFETY ASSESSMENT OF FOODS PRODUCED USING RECOMBINANT-DNA MICROORGANISMS")第1章では、パラグラフ8(CL2002/40-FBT Annexパラ7を3月14日改訂)で、これから安全性評価の仕組みを考える導入部であるにもかかわらず、「比較の結果満足のいくものであれば、組み換えられた微生物を使った食品は既存の同等物を利用して作られた食品と同程度安全でもよい」と、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ブラジルなどが「実質的同等性」を全面に出そうとした。これに対してイタリア、フランス、スペイン、南アフリカ、イラン、やNGOのCI、グリーンピース、IACFOなどが反対し、この文言は削除された。この中で日本政府がアメリカ、カナダを支持したのはなぜか。

2.同案第3章では、パラグラフ14(パラ13を改訂)のリスク評価のさいの「動物実験」の実施をめぐる問題、パラグラフ15、16(パラ14を改訂、分割)では、「実質的同等性」の扱いが論じられた。パラグラフ17(パラ15を改訂)では開発者が「意図しなかった影響」の安全性評価が取り上げられたが、いずれも、「植物ガイドライン」の構図を踏襲し、微生物であるからこそ慎重に行われるべき安全性評価が軽視された。ここで日本政府が「植物ガイドライン」との同一性を強調したのはなぜか。

3.同案第3章「食品安全性評価の導入」のパラグラフ25(パラ23を改訂)では、とくに安全性評価の最終目的が、食品の安全性、食品中で生きている微生物が有害でないことを保証することとされたが、その評価方法(期待される指標)は、既存の対応物と同様に安全であるか否か、というものとなった。ここでもカナダ、日本は「組換えDNA植物ガイドライン」との一致を強調、グリーン・ピース、FAO、CIなどの、腸内で生きている微生物などを考慮し、もっと慎重に評価を行うべき、との意見と対立した。NGOの「49thパラレル・バイオテクノロジー・コンソーシアム」の、微生物の議論は2002年に決まった植物ガイドライン(見直しの必要性もありうる)と同じである必要はなく、さらに慎重に議論する必要がある、との意見も目立った。日本政府の主張はなぜか。

4.同案第4章「一般的検討事項」では、パラ26(パラ24を改訂)では安全性評価において細菌、イースト、菌株、食品のデータを残し、使用された組換えDNA微生物を同定して国際培養コレクションといった機関で保管すること、培養された保管物は要求されれば規制当局(各国政府などか?)の求めに応じられなければならない、とのルールも採用された。これはカナダが知的所有権の問題があるため応じられない、と主張、NGOがすべての市民に公開を、とする意見の対立の妥協の結果の表現である。消費者はこの問題では企業の知的所有権を優先させるべきではないと考えるがどうか。

5.「受容体微生物の概要」(パラ27〜29)(パラ25〜27を改訂)、「供与体の概要」(パラ30)(パラ28を改訂)、「ベクターおよび構成体を含む遺伝子組換えの概要」(パラ31〜33)(パラ29〜31を改訂)、「遺伝子組換えの特徴付け」(パラ34)(パラ32を改訂)などの討議において、微生物の各種データをめぐり、制限を求める、カナダ、アメリカ、それに追従する日本政府、安全性評価の充実を求める、イタリア、CI、グリーン・ピース、との対立が目立った。とくにパラ32(パラ30を改訂)の脚注6(遺伝子組換えの方法をめぐる更なる記述)について、イラン、グリーン・ピース、が必要性を述べたのに対し、アメリカ、日本が削除を求め、議長は削除するとした。この経過につき説明されたい。

三、コーデックス委員会総会(2003年6月30日〜7月7日)では、CTFBTでステップ8となった3つのガイドライン案(ALONORM03/34 AppendixU"DRAFT PRINCIPLE FOR THE RISK ANALYSIS OF FOODS DERIVED FROM MODERN BIOTRCHNOLOGY", Appendix V"DRAFT GUIUDELINE FOR THE CONDUCT OF FOOD SAFETY ASSESSMENT OF FOODS DERIVED FROM RECOMBINANT-DNA PLANTS", および本微生物ガイドライン案)が成文化されたさいには、日本政府もこれまで市場化を認可してきた遺伝子組み換え食品を再審査する必要があるがこのことについての確認を求める。

連絡先:日本消費者連盟 山浦康明
                    〒152-0002 東京都目黒区目黒本町1-10-16
                           Tel 03-3711-7766
                  (4月21日より下記へ移転)
                〒162-0042 東京都新宿区早稲田町75日研ビル2F
                               Tel 03-5155-4765 


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