2003年4月14日

厚生労働大臣
  坂口 力 様


遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン
                               代表 天笠 啓祐
     日本消費者連盟
                           代表運営委員 富山 洋子

研究班報告発表に抗議して、
体細胞クローン牛を食品として認可しないことを求める申し入れ


 冠省 体細胞クローン牛は「安全」だとする貴省研究班の報告書が発表され、この報告書に基づき、食品として流通に踏み切ることが検討され始めました。
 私たちは03年3月14日に、体細胞クローン牛を食品として認めないように、農水省・貴省あてに申し入れ書と質問状を出しましたが、貴省からはいまだに回答はきていません。回答する前に、市販を前提とした報告を発表することは、消費者無視もはなはだしいといわざるを得ません。

 このクローン牛は、食品としての安全性に大いなる疑問があります。国内で生まれた体細胞クローン牛のうち、30%以上が死産か出生6日以内に死亡しているほか、病死も17%もあります。なぜまともに、生まれて来ず、育たないのか。なぜ生まれた赤ちゃんに異常が多いのか。原因はよく分かっていません。

 3月27日、体細胞クローン牛の安全性を消費者に理解させる目的で行われた、農水省の助成を受けて、畜産新技術の普及推進事業を行っている(社)畜産技術協会が主催する「クローン技術に関する現地説明会」では、消費者にクローン技術とは何の関係もないダチョウをみせたり、1頭の雄の体細胞クローン牛を見せるなどして、「消費者の理解」を求めています。しかし、見学後、「国際シンポジウムクローン家畜とその安全性」では、以下のような事実があきらかになりました。講演者の報告によれば、

 畜産草地研究所の高橋清也氏は「体細胞クローン牛の成功率の低さには原因究明が望まれ、繁殖性や泌乳能力にも異常例がありより多くの調査が必要」とのことですし、米国のエリック・フォルスベルグ博士は「クローン動物だけでなく、その子孫もFDA(食品医薬局)では承認されていない。消費者の容認は政府の認可と生産物の質とコストによる」と報告されました。

 農水省は02年8月13日に、「クローン牛は食べても安全」という畜産生物科学安全研究所の実験結果を発表、その後の厚労省の動向が注目されていましたが、この研究内容について講演した伊藤義彦氏によれば、「消化試験は生後1日から4日の通常食用にならない肉を用いていること」「マウスによる染色体障害(変異原性)検査は1群たった6匹で行われていること」「ラットを用いた消化試験は実質3日間のもの」「14週間飼料給与し、30p上から落とした場合の感覚反射機能検査や、自発運動量、血液・組織学検査では差は認められなかったとしているのも、雌雄各10匹のラットを用いたものであること」がわかりました。この研究は農水省のプレスリリースとしてHPにも載せられていますが、対照群の数字などは巧みに隠されています。農水省が行った実験は、とても私たちの納得のいくものではありません。 

 異常が多いという疑問点をそのままにして、消費者が食べても安全、といわれても、誰も納得しないでしょう。早急な認可は、遺伝子組み換え作物同様、消費者の反発を招くだけです。
 体細胞クローン牛を食品として認可しないことを強く求めます。

(連絡先)
                  東京都目黒区目黒本町1−10−16
日本消費者連盟 (古賀)
рO3−3711−7766


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