要請書「スギ花粉症緩和米の研究を即時中止することを求めます」

2011年4月14日

農林水産大臣
鹿野道彦様

特定非営利活動法人 日本消費者連盟
代表運営委員 富山 洋子
遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン
代表 天笠 啓祐

スギ花粉症緩和米の研究を即時中止することを求めます

「政府は2011年度から日本製紙と共同で開発した花粉症緩和米の実証実験を本格化し、官民の連携を強化して、14年度は民間事業委託を行い、20年度からの商品化を目指す(3月2日付『日経新聞』)」という報道がありました。

このコメは、厚生労働省からスギ花粉症緩和という効能を謳うなら医薬品として扱うべきという見解が出され、農林水産省は医薬品としての認可を受けるまで要する経費と時間をかんがみて、研究開発は頓挫したと私たちは認識しておりました。
しかし、報道によりますと来年度予算に約3億4000万円の関連経費を計上し商品化に向けて研究開発を進めるとありました。

コメは日本人の長寿の源として古来から安心して食べてきたものですし、基幹作物として、日本全国いたるところで作られています。医薬品としてのコメが作付されると、圃場での交雑や、流通過程、そして家庭の台所でも混入が起こる恐れがあります。それは、消費者に良質で、美味しいコメを届けようと努力している生産者を無視するものであり、安全でおいしい日本のコメの消費を高めようと努力している消費者を不安に陥れます。

今般、私たちは予想し得なかった未曾有の自然災害を経験しました。つくばの研究所も被災したと聞いております。このように日本は自然災害の多い国です。スギ花粉症緩和米を研究室や圃場に封じ込めることは不可能です。
また、今後の農林水産省の予算は被災した東北地方の農林水産業の生産者の救済、支援に優先的に使うべきが多くの国民の声です。
スギ花粉症緩和米の研究開発をただちに中止することを強く求めます。

以上