要請書「宮崎大学における遺伝子組み換えワタの試験栽培中止を要請します」

2011年5月19日

バイエルクロップサイエンス株式会社
代表取締役社長 ギャビン・マーチャント様

遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン
代表 天笠啓祐

宮崎大学における遺伝子組み換えワタの
試験栽培中止を要請します

宮崎大学では2010年から貴社と共同で、除草剤グルホシネート耐性ワタ(T304-4D)およびチョウ目害虫抵抗性ワタ(CHB119)の生物多様性影響評価を目的に試験栽培を行っています。

隔離された大学内の圃場で栽培されるとはいえ、遺伝子組み換え作物が宮崎県で栽培されることを危惧した宮崎県内の生活協同組合や有機農業生産者、畜産農家が「ストップGMO宮崎連絡会」を結成して、宮崎大学に栽培実験中止を求める活動を行っています。その活動の一環として私たち「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」とともに、署名活動に取り組み、全国の消費者、生産者に呼び掛けたところ、2010年12月から2011年3月の間の短期間にかかわらず、個人署名は71,964筆、団体署名は975団体(構成員合計1,662,813人)の署名が集まりました。

この署名を4月18日、宮崎大学に提出し、全国の消費者、生産者は遺伝子組み換えワタの試験栽培が宮崎大学で行われることを不安に思い中止を求めていることを伝えました。特に、ワタと同じアオイ科のオクラの栽培農家は交雑の心配もあり、即刻中止してほしいと訴えました。

なお、遺伝子組み換えワタについては現在栽培されている米国やインド、中国等で様々な問題が起きています。除草剤に耐性をもつ雑草が増え、除草剤の使用量が増えていること、耐性害虫も増え収穫量が大幅に減少するなど矛盾点が見えてきています。従来と違った除草剤耐性・殺虫性の遺伝子組み換えワタを開発しても早晩耐性雑草や耐性害虫が発生し、収穫量を上げる目的が果たせなくなることは現在までの遺伝子組み換え作物の栽培の経緯から予想することができます。

また、ワタは主として暑い国で栽培されており、日本ではほとんど栽培されていません。日本で栽培実験をする必要は全くありません。ただちに遺伝子組み換えワタの栽培実験を中止することを求めます。

以上