ゲノム編集トウモロコシについての質問状への厚生労働省回答

米国コルテバ社から届出のあったゲノム編集トウモロコシについて厚生労働省に質問状を送りましたが、その回答がありました。回答の情報はこれまでの公開情報を上回るものでなく、海外の栽培・流通の状況を積極的に把握する姿勢が同省に見られないことは遺憾です。遺伝子操作食品に対する安全の確保について引き続き求めていきます。

 

質問

回答

1、今回のゲノム編集トウモロコシについて、コルテバ社からいつ貴省に事前相談がありましたか。

令和3年7月9日に事前相談を開始し、事前相談資料の内容について、専門家の意見も伺いながら、相談者とのやりとりを重ねて確認を進め、令和5年3月7日に薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会新開発食品調査部会遺伝子組み換え食品等調査会を開催しました。その結果、「ゲノム編集技術応用食品及び添加物の食品衛生上の取扱要領」(令和元年9月19日大臣官房生活衛生・食品安全審議官決定。以下「取扱要領通知」とします。)や「ゲノム編集技術応用食品等の取扱いに関する留意事項」に則り、外来遺伝子が除かれていると判断されたため、当該食品は組換えDNA技術応用食品としての安全性審査の対象に該当せず、「届出」に該当すると判断されました。確認結果の詳細については、厚生労働省ホームページに掲載しているとおりです。

2、その事前相談に対する遺伝子組換え食品等調査会からの回答はいつあり、どのような内容だったのでしょうか。

3、その際、安全審査に該当すると判断されたのか、それともされなかったのでしょうか。またその判断の根拠はどんなものだったのでしょうか。

4、3月20日に届け出を受理したということですが、その判断の根拠はどんなものだったのでしょうか。

5、初めて海外で作付けされ輸入されるゲノム編集食品です。今回のゲノム編集トウモロコシの海外での栽培・流通の状況は把握していますか。把握している内容はどんなものですか。

取扱要領通知における事前相談様式及び届出様式において、海外での栽培・流通状況に関する情報の提出は求めていません。なお、ゲノム編集技術応用食品等に該当するものについて、栽培・流通の状況を把握する国際的な枠組みは現時点では存在していないと承知しています。
海外でのゲノム編集技術応用食品等の栽培状況に関し、米国FDAのホームページによれば、Calyxt,Inc.が開発したオレイン酸の含有量を高めた大豆が同国内において流通可能とされていますが、同ホームページには、栽培状況に関する情報は掲載されていません。

6、今回のゲノム編集トウモロコシ以外に海外でのゲノム編集作物の栽培状況を把握していますか。把握している内容はどんなものですか。

7、今回届け出を受理したゲノム編集トウモロコシについて、貴省のホームページでの告示以外、消費者への周知はどのように行う予定ですか。

個別品目ごとの情報提供については、厚生労働省ホームページに掲載することで対応しており、その他の手段による周知は予定しておりません。

なお、ゲノム編集技術応用食品の食品衛生上の取扱いについては、厚生労働省ホームページのほか、パンフレットの作成等を通じて情報提供に取り組んでおります。

8、ゲノム編集食品に対して安全性評価の義務付けを検討していますか。または検討する予定はありますか。

ゲノム編集技術応用食品の利用実績、今後の科学的知見の充実、国際的動向等を踏まえ、必要に応じて仕組みの見直しを行うこととしており、ゲノム編集技術応用食品の安全性確保に向けた取組を続けてまいります。

9、新たなゲノム編集生物についての事前相談を受けていますか。受けているとしたら、どのようなゲノム編集生物ですか。また、現時点で何件の事前相談がありますか。

ゲノム編集技術応用食品について、厚生労働省が公表する情報は、取扱要領通知に定めているとおりであり、本件も含め、それ以外の情報については、回答を控えています。