アピール「私たちは国内の農畜産業・漁業・生物多様性を守り、 未来の世代が安心して暮らせる社会を作っていきます」

私たちは国内の農畜産業・漁業・生物多様性を守り、
未来の世代が安心して暮らせる社会を作っていきます。

3月11日に起きた原発事故が、日本列島を広範に死の灰で汚染しました。放射性物質は生命体と相入れず、しかも生態系を通して生体内に濃縮されていきます。そのため多くの命の芽が奪われ、生物多様性は危機的な状況に陥れられています。しかも、その汚染は、めぐりめぐって私たちの体内に取り込まれ、未来を担う世代に特に強く影響します。国や東京電力など原発を推進してきたすべての組織や人々の許しがたい犯罪といえます。

この汚染は、私たちの大事な食べ物を汚染し、農畜産業や漁業に大きなダメージを与えています。また、私たちが築いてきた提携・産直などの顔の見える関係に危機的状況をもたらしています。有機農業など安全で安心できる作物を提供してきた農家から希望を奪いました。ともに被害者である生産者と消費者が、放射能で汚染した作物を挟んで、対立しあう関係をもたらしました。

さらには、安全性に問題が多い輸入食品の増大を招き、TPP加盟への道を切り開いています。このような危機的な状況をもたらしたのは原発です。すべての原発を停止させ、廃炉にしていかなければ、同じことが繰り返されます。

原発事故は、推進する電力産業、それを支える政府と学者という構造が「安全神話」を作り出し、引き起こしました。その構造は、遺伝子組み換え生物(GMO)にも共通しています。もし事故などで大規模なGMO汚染を引き起こせば、生物は自己増殖することから、放射能汚染と同様、あるいはそれ以上に、環境を破壊し、私たちの健康を脅かすことになりかねません。

第一次産業に大きなダメージをもたらし、国内自給、地産地消、循環型社会など、私たちがこれまで取り組んできた運動が崩壊の危機に瀕する可能性があります。

放射能汚染がもたらした危機は、遺伝子組み換え作物がもたらす危機の構造を浮かび上がらせたといえます。これまで私たちが作ってきた生産者と消費者の固い絆をもう一度確かめ合い、ともに支え合い、手を携えて、放射能汚染をもたらした電力会社や政府に脱原発の声を届けて行きましょう。

遺伝子組み換え作物・食品に対しては事故や汚染をこれ以上起こさせないよう、厳しい規制の仕組みを作らせましょう。生産者と消費者が一緒になって、この危機を乗り越え、国内の農畜産業・漁業を守り、生物多様性を守り、未来の世代が安心して暮らせる社会を作っていきましょう。

遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン
2011年6月9日