サナテックシード社にゲノム編集高GABAトマトに関する公開質問状送付

遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンと日本消費者連盟は、サナテックシード社に対し、ゲノム編集高GABAトマトの配布中止、安全性確認などに関する公開質問状を送付しました。


サナテックシード株式会社

取締役社長 竹下心平 様

取締役最高技術責任者 江面浩 様

 

ゲノム編集高GABAトマトに関する公開質問状

 私たちは、食の安全を求めて取り組んでいる消費者団体です。

御社がゲノム編集技術で作出された高GABAトマトを家庭園芸用に無償配布されると報道されています。私たちは、ゲノム編集技術は遺伝子組み換え技術と同様、非意図的な遺伝子の変異を起こし、想定外の有害物質を作物の中に作りうる、潜在的にリスクのあるものと考えています。安全性の十分確認されていない遺伝子操作食品が食用にされることは大きな問題だと思います。

御社が厚生労働省に届け出られ、同省のホームページに掲載された説明資料(以下、説明資料)にはいくつか疑問があり、御社が自社ホームページなどで発表されている、家庭園芸用に無償配布されるという行為は人体実験にも等しいものと考えますので、中止を求めます。

以下、御社の説明資料と御社の考え方について質問をお送りします。お忙しいところ恐れ入りますが、12月24日までに文書にて回答をお願いいたします。回答は当団体のホームページ等で公開します。

1.遺伝子操作作物の最大の懸念は遺伝子操作の過程で起こる非意図的な遺伝子の変異による想定外の有害物質等の生成です。そのことに関連して、以下のことをお尋ねします。

(1)説明資料には、オフターゲット候補を2つの方法で検索し、両者に共通する箇所の変異を調査したとありますが、実際に調査したのは何箇所でしょうか。

(2)オフターゲット候補を絞り込むのでなく、すべての遺伝子を調べて、オフターゲットの有無を確認すべきだと考えますが、なぜそうしないのですか。

(3)アレルゲン確認の説明に「標的配列およびオフターゲットにおいて変異が確認された箇所」とありますが、前段のオフターゲットがなかったという説明と矛盾しますが、どちらが事実ですか。

(4)アレルゲン確認は、標的配列およびオフターゲットにおいて変異が確認された箇所のみについて実施されていますが、それ以外の箇所で起こりうる可能性について、どのようにお考えですか。

(5)トマチンについて分析をして「トマチンが増加していないことから、トマチンの類縁体その他アルカロイドについても同様に増加していないと推察される」とされていますが、他のアルカロイドもしくはアルカロイド以外の物質が想定外に産生される可能性について、どのように評価されたのですか。

(6)遺伝子操作前の作物との成分の変化を、どの物質を分析し、結果はどうだったかを公表してください。

 

2.遺伝子組み換え作物についての「実質的同等性」審査は、上記の想定外の有害物質の生成について確認はできないため、何ら安全の保証にはならないと私たちは考えます。ゲノム編集作物には「実質的同等性」審査ができませんが、安全性の確認が全くなされないままに食用に供することは人体実験に等しいことです。そのことに関連して、以下のことをお尋ねします。

(1)マーカー遺伝子として抗生物質耐性遺伝子が用いられています。またプロモーター遺伝子としてカリフラワーモザイクウイルス遺伝子が用いられています。これらが予期しない遺伝子の変異をもたらしている可能性がありますが、それらの影響についてどのような調査が行われたのでしょうか。

(2)安全性の確認のために動物実験をされる考えはありませんか。

(3)説明資料では上市の際は摂取目安量を表示する、とありますが、妊婦や基礎疾患等のある方、血液脳関門の未発達な幼児への影響をどのように考えているのですか。

(4)家庭園芸用の無償配布に応募される消費者が、消費者団体などからゲノム編集作物に指摘しているリスクについても知ったうえで応募されるとお考えですか。それとも御社の安全という説明だけで応募していただくのですか。

(5)高GABAトマトによる健康影響をどのように把握するつもりですか。

 

3.このゲノム編集トマトは、ナショナルプロジェクトで開発されました。国民の税金を投入しているため、それを踏まえた社会的責任があるはずです。その点について質問いたします。

(1)国からの提供された資金はどれほどのものだったのですか。

(2)なぜ、社会的コンセンサスを得る前に、市販を急ぐのですか。

(3)知的財産権取得のために、どの程度予算を使用しているのですか。

(4)安全性確認が十分でない高GABAトマトの無償配布を中止してください。

以上

 

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