「みどりの食料システム戦略」中間取りまとめについての意見を提出しました

遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンは、「みどりの食料システム戦略」中間取りまとめに対して意見(パブリックコメント)を提出しました。遺伝子操作技術に頼らない、生態系と調和した有機農業の推進を要望します。


2021年4月9日

農林水産省 御中

遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン
代表 天笠啓祐

「みどりの食料システム戦略」中間取りまとめについての意見

 私たちは食品の遺伝子操作に反対する市民団体です。本「戦略」は、AIやバイオテクノロジーなどを用いたイノベーションを前面に掲げ、生産力向上や経済性をもたらすことに主眼が置かれています。本来、農業は自然とともにあり、それに基づいて営まれてきました。その在り方に反するものです。その上で、下記のことを求めます。

1.遺伝子操作技術を排除すべき

本「戦略」では化学農薬や化学肥料の低減や有機農業の推進を、RNA農薬などの遺伝子操作技術によって進めようとしています。これは不適切です。消費者は有機農畜産物を安全安心とともに環境保全を考えて購入しています。安全性や環境影響について十分な確認がされていない遺伝子操作技術を利用することは、有機農業の信頼性を著しく損ねます。国産品の信頼性を高め、国内農業を発展させるためには、何よりも安全性と環境保全を重視すべきです。「戦略」から遺伝子操作技術を削除することを強く求めます。

2.生産者と消費者のつながりについて

生協その他の共同購入組織が進めている産直や、大豆畑トラストなどの消費者参加型の自給率向上の取り組みは、生産段階での農薬削減や、そこで得られた収穫物の消費について、双方で合意して進められてきました。それにより生産者には市場原理や天候条件等にあまり左右されない、安心して生産できるメリットがあり、消費者は安心できる野菜などを入手できるメリットがあります。そうした生産者と消費者の信頼関係の下で有機農業は支えられてきました。今後もそのようなつながりが重要であることを明確に記述することを要望します。

3.農薬の問題に関する情報提供について

農薬は農地やその周辺、さらには生態系を通して多くの生物に多かれ少なかれ悪い影響を与え、生物多様性を損ねます。散布する生産者の曝露はもとより、収穫物を摂取する消費者への健康影響も懸念されます。しかしながら現在は、農薬を適切に使用すれば安全だと宣伝されています。安全と言いながら減らすのは無理があります。また、いま農薬の残留基準が緩和されています。このような状況こそ変えなければならないはずです。農薬削減を具体的に打ち出すべきです。

4.目標設定期間について

多くの目標が設定されている2050年はあまりにも先であり、展望が持てません。欧州と同じ2030年の目標を設定することを求めます。

5.パブリックコメントの募集期間について

意見募集期間の2週間は短すぎます。改めて十分な期間の意見募集を実施することを求めます。

以上