コオロギパンについての公開質問状に対する敷島製パンの回答

敷島製パン株式会社がコオロギ粉を配合したパンを販売していることに関し、日本消費者連盟と遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンが2023年3月24日付で送った公開質問状に対し、同社から4月7日付で回答が来ましたが、回答は納得できる内容ではありませんでした。改めて販売の中止を求めていきます。

1.コオロギの使用目的、必要性について
パンの主原料である麦類は植物であり、昆虫食と生産性を比べるまでもありません。回答にある「持続的な食糧の安定供給を目指した取り組みの一環」というのはパンにコオロギを使用する理由になりません。

2.コオロギの安全性(健康影響の可能性)について
衛生性の確保は当然であって、問われているのは食経験のないコオロギを食品として常食したときに健康影響がないかどうかの確認です。アレルギーについては回答がありましたが、その他の成分等についての回答がなく、そうした点での安全性の確認はなされていないようです。

3.コオロギパンの販売量等について
販売量については回答がありませんでした。昆虫食による危害がもしあるとすれば、大量に供給されれば、それだけ懸念が高まります。回答がなかったのは遺憾です。

 

質問回答
1、 コオロギをパンに使用する目的は何ですか。コオロギを使う必要性はありますか。1.弊社は、将来起こり得る食糧危機に備え、2020年より弊社公式オンラインショップにおいて、数量限定で、食用コオロギパウダーを使用した商品を販売しております。昆虫食に関しては、消費者の嗜好が分かれるため、誤って喫食することの無いよう、商品パッケージには食用コオロギパウダーの使用を明記しています。取組みの背景としましては、2050年には世界人口が100億人に迫るとの予測もあり、将来の食糧不足も懸念されるなか、2013年に国連食糧農業機関(FAO)が発表した報告書『食用昆虫:食料と飼料の安全保障に向けた将来展望』を契機に、昆虫食が注目されており、弊社では、未来の食糧不安に備え、持続的な食糧の安定供給を目指した取り組みの一環として、生産効率が良く環境負荷が低いとされる食用コオロギのパウダーを使用した商品を研究・開発しています。弊社が使用する食用コオロギパウダーの原産国であるタイでは、コオロギの養殖技術が確立されているとともに、GAP、GMPやHACCPの認証制度が整備されています。
GAP:GAP(Good Agricultural Practices: 農業生産工程管理)と、農産物(食品)の安全確保し、より良い農業経営を実現するために、農業生産にて、食品安全だけでなく、環境保全、労働安全等の持続可能性を確保するための生産工程管理の取組。(農林水産省ホームページより)
GVP:GMPとは、Good Manufacturing Practice (適正製造規範)の略で、原材料の受け入れたら製造、出荷まで全ての過程において、製品が「安全」に作られ、一定の品質が保たれるようにするための製造工程管理基準のことです。(厚生労働省ホームページより)
HACCP:HACCP食品等事業者が食中毒菌汚染や異物混人等の危害要因:ハザードを把握した上で、原材料の入荷と製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去又は低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法です。(厚生労働省ホームページより)
2、 コオロギの安全性(健康影響の可能性)について、どのような確認をしていますか。2.仕入先の原料メーカーにて、衛生管理や物理的危害否などのリスクを確認、他に使用する原料と同等の衛生規格を満たすものを使用しています。また、食用コオロギバウダーには甲殻類に似た成分が含まれ、アレルギーの方にとってはリスクが高いと言われていることから、えびやかにのアレルギーを持つ方は控えて頂くよう、ホームページ上、商品ラベルに注意喚起文を赤文字で記載。アレルゲン管理のため、通常の弊社商品とは異なる専用施設で生産、工場建屋・製造ライン・製造スタッフを全て変え、万が一の混入も起こらないよう管理をしています。
3、原料のコオロギは、どこの、どのような施設で養殖していますか。食中毒菌の残留防止等、衛生対策をとっていますか。3.食用コオロギパウダーの原材料となっているコオロギは、GAP認証を受けたタイの農場(室内)にて衛生的な環境で厳密に管理し食用として養殖されたものです。収穫後は、直ちにGMPおよびHACCP認証を受けた工場で洗浄(UV殺菌)、加熱処理(沸騰水で40分、オーブンで7時間)、粉末加工され、これを真空パックにしたものを日本に輸入しています。仕入先において定期的に食品微生物と残留農薬の自主検査を行い、品質管理を徹底していることを確認しています。
4、 コオロギパンはオンラインショップ限定・数量限定で販売しているようですが、どのくらいの数量を販売していますか。今後増産する計画はありますか。4.個別の売上に関しては開示しておりません。
5、 今後、スーパー等での販売計画はありますか。5.公式オンラインショップ以外での販売計画はございません。
6、貴社のコオロギパン販売について消費者から不安の声が高まっていますが、そうした声にどのように対処していますか。6.弊社ホームページ(公式オンラインショップ)にて、情報公開しております。また、個別のお問い合わせについてはお客さま相談室にて説明・理解いただけるよう努めております。