ゲノム編集トラフグ商品販売に関する質問状への㈱高島屋の回答

2023年7月に高島屋新宿店で開催された「EAT 2033 BY TAKASHIMAYA」においてゲノム編集トラフグが提供された件で、日本消費者連盟から送られた公開質問状に対し、株式会社高島屋から回答がありました。残念ながらゲノム編集食品の問題点についての認識を欠いた回答内容でした。

質問

回答

1、新宿店でのゲノム編集トラフグ商品販売を決めたのはどのような理由でしょうか。

今回弊社新宿店で開催させていただきました「EAT2033 BY TAKASHIMAYA」は、食料問題の顕在化や食の多様化が進む中で、味を楽しみ素材を知る体験を通じて食の大切を知り、私たちの「食」の10年後をお客様とともに考えていきたいとの想いで、様々なサステナブルフードを紹介するイベントとして企画をいたしました。今回は主に後記第5項記載の4つの切り口でサステナブルフードを定義し、その中の食の新たな選択肢のひとつとして、ゲノム編集トラフグもご提案させていただきました。販売の検討にあたり、食品の安全性という観点では、日本で流通しているゲノム編集食品については、厚生労働省が定めた所定の手続を経て食品としての届出が行われ、同省のホームページで公表されていることを確認しております。より具体的には、本商品は、厚生労働省が「ゲノム編集技術応用食品及び添加物の食品衛生上の取扱要領」に従って安全性を確認した上で届出を受理し、厚生労働省のホームページで公表されていることが確認できたため、イベントでの販売を決定いたしました。

2、新宿店でのゲノム編集トラフグ商品販売について、消費者から疑問や質問などの問い合わせが多数寄せられたと聞いていますが、それについてどうお考えですか。

当イベントを通し、多様なご意見を頂戴いたしました。弊社といたしましては、貴重なご意見として拝聴し、今後の施策の参考にしてまいります。

3、ドイツの民間研究機関は日本でゲノム編集によって「病気にされたフグの流通が始まるかもしれない」と懸念する報告書を出しています。ゲノム編集に関しては他にも海外の研究論文で多くの問題点が指摘されています。このようなことをご存じですか。

貴会が言及されましたドイツの民間研究機関による報告書等は存じておりません。一方、繰り返しになりますが、ゲノム編集トラフグのみならず、日本で流通しているゲノム編集食品については、厚生労働省が定めた所定の手続を経て届出が行われ、同省のホームページで公表されていることを確認し、具体的には、本商品の食品としての安全性につきましでも、厚生労働省が「ゲノム編集技術応用食品及び添加物の食品衛生上の取扱要領」に従って安全性を確認した上で届出を受理し、厚生労働省のホームページで公表されていると承知しております。

4、今後、貴社の店舗でゲノム編集食品を販売(宣伝や期間限定取扱いを含む)しますか。

今回は期間限定のイベントでご提供したものであり、現時点では、今後の取扱いについては、決まっておりません。

5、新宿高島屋の「EAT2033 BY TAKASHIMAYA」のコンセプトである「地球にも人にも優しい『サステナブルフード』」とはどのようなものであるとお考えですか。

今回の「EAT2033BYTAKASHIMAYA」におけるサステナブルフードは、主に以下4つの切り口で定義をいたしました。
・たんぱく質不足が懸念される中での「代替たんぱく質」
・食品ロス削減に寄与する「アップサイクル」
・生産者の貧困問題解決に向けた「フェアトレード」
・環境負荷軽減と持続的な生産サイクルを目指す「ゲノム編集」
上記4つの切り口を、食の新たな選択肢としてお客様にご提案させていただき、お客様とともに私たちの「食」の10年後を考えていきたい、というコンセプトの下、企画いたしました。